『マジック・イン・ムーンライト』レビュー

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マジック・イン・ムーンライト

"Magic in the Moonlight"

(2014年/監督:ウディ・アレン

 

 ウディ・アレンの名前を知ったのはPOPEYEという雑誌の「Finding the Classics」というクラシックな装いをしようという特集で、彼の写真が出ていたから(kate spadeの創業者、アンディ・スペードのスタイルアイコンの1人として掲載されている)。シンプルで、格好いい人だなと思った。ウディ・アレンが映画監督であることは知っていたけれど、中々彼の作品を観る機会がなかった。暇が出来たので、初めて鑑賞したウディ・アレン監督作品が、今作『マジック・イン・ムーンライト』("ザ"という文字一つ付け加えるだけなのに、なぜ邦題に"ザ"がないのだろう。あったほうが語呂もいいのに)。

 

英国人マジシャンのスタンリーはニヒリストで毒舌家だが、天才的なマジックの腕前で人気を博していた。ある時、幼なじみのハワードから、ある大富豪が入れあげている米国人占い師の真偽を見抜いてほしいと依頼される。魔法や超能力など存在しないと信じるスタンリーは、ペテンを見抜いてやろうと自信満々で噂の占い師ソフィのもとへ乗り込む。しかし、彼女の透視能力を目の当たりにして価値観を揺さぶられ、さらには容姿も性格も完璧な彼女にほれ込んでしまう。

マジック・イン・ムーンライト : 作品情報 - 映画.com

 

マジック・イン・ムーンライト』は、 マジックの舞台で幕をあける。中国人が二人の中国人アシスタントを連れて披露する。けれどいざ舞台が終わると中国人達が、そもそも中国人ではなかった。しかも"中国人マジシャン"その人は、まさかのコリン・ファース。よく出来たメイクで僕には、これすらもマジックのように思えた。

そうして舞台が終わり、幼馴染のハワード(サイモン・マクバーニー)がスタンリー(コリン・ファース)にアメリカ人占い師ソフィの"トリック"を暴いて欲しいと言われ、南フランスへと向かうスタンリー。

自身がマジシャンでありながら「マジックは存在しない、全てはトリックだ」と信じるスタンリーが、ソフィの類稀な"トリック"に惑わされる。そして束の間の"幸せ(例えそれがムーンライトの下でのマジックだったとしても)をソフィとともに味わう。その幸せは、スタンリーが長い間失っていた又は欠けていたもので、マジックにかけられたスタンリーとソフィの1週間の描写は素晴らしく綺麗だった。

神が存在するのかしないのか、死後の世界は存在し得るのかという哲学的な方向に持っていくのかと思いきや(少なからず、そのエッセンスはあった)、正統派のロマンス映画。クラシック・カーを乗り回し、アイロニックなジョークを語るコリン・ファース。楽しそうにダンスを踊るエマ・ストーン(最近エマ・ストーンが出演している映画ばかりを観ている気がする)。映画の中の全ての人が身にまとう、20年代的な服も素敵だった。内容はそこまで深くはないかもしれないけれど、映画館で温かいミルク・ティーを片手に観たい作品だった。日曜の15時くらいに鑑賞するのがお勧め。南フランスでの一夏の恋を描いた、クラシックな映画『マジック・イン・ムーンライト』簡単に言うと、そんな作品。ウディ・アレン監督の他の作品も観ようと思う。音楽も良かったから、サントラを買おうと思います。読書中のBGMにも適していると思う。

Magic In the Moonlight (Music from the Motion Picture)

Magic In the Moonlight (Music from the Motion Picture)

  • Various Artists
  • サウンドトラック
  • ¥1500

 

MAGIC IN THE MOONLIGHT