『点』レビュー

その題名に惹かれて鑑賞した、25分の作品『点』。25分と短い作品ながらも、作品の雰囲気を最初の数シーンで構築し、幼馴染2人の「点」を描いた作品。

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(C)2017 WARNER MUSIC JAPAN INC.

 

『点』

(2017年/監督:石川慶)

 

 25分と短い作品ながらも、引き込まれる。亡くなった父親の後を継ぎ、理容師を経営する高志。結婚式を間近に控えた、ともえ。この幼馴染2人が理容師という場所を交差"点"とし、再会する。

久しぶりに友達と再会したところで、一気に話しが弾むことはないと思う、よほど仲の良い友達でなければ、増してそれが異性の友達であれば(付き合っていたなら、なおさらだ)。その雰囲気をぎこちない台詞で作り上げる。

 高志が、ともえが足を組んだ瞬間に彼女の足を見る。また、うなじを剃る場面ではカメラがズームし、カミソリが肌を沿う様子が映される。それ以外にも所々にフェティシズムを感じる場面があった。それが作品に漂っている。

作品の題である"点"には複数の意味があると感じた。一つは最初のパラグラフで書いたように高志とともえの関係が交わるという意味での"点"。もう一つは、ともえのうなじにある"点"あるいは黒子。ともえは高志に黒子の存在を指摘された時、忘れていたと答える。けれど僕はこれは嘘だと思う。何故かと答えられたら分からないが。なんとなく。結婚式があるというのも嘘かもしれない。浮気相手であるという自身の状態に嫌気がさし、自分の過去に居場所を求めたあるいは逃げた。そしてその「自分の過去」というものが、付き合っていた幼馴染の高志という存在だったのかもしれない。これはIfの話で、そうだとは限らない。が、やはり良い作品というのは全てを見せない作品なのかもしれない。余白を残した方が観客が、その物語について考える余地があるから。

いい作品だったと思う。 

Netflixで鑑賞。

www.ten-film.com

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