"死者の国"を旅する少年の物語 ーー ピクサー/ディズニー最新作『リメンバー・ミー』に迫る

ピクサーが贈る最新作『リメンバー・ミー(原題:Coco)』が、アメリカでは11月22日、日本では2018年3月16日に公開される。少年が"死者の国"を旅するという物語の今作。「死」という暗いモチーフを、ピクサー/ディズニーは、私達にどのような形で魅せてくれるのだろうか。

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 11月6日にディズニー/ピクサーの『リメンバー・ミー(原題:Coco)』の最終予告が公開された。それを観る前にまずはティザー・トレイラー(予告編の予告)を観て欲しい。公開された中で、最も素晴らしい予告だ。

 

少年(ミゲル)がギターを持ち、ブラウン管のテレビから奏でられるメロディを見よう見真似で演奏している。「私は歌わなければならない。私は演奏しなければならないんだ。音楽は私の中にあるだけじゃなく、私の存在そのものなんだ。」というデラクルスの言葉にミゲルと犬は目を輝かせる。美しいコードを真似して弾き、美しい歌に耳をすませるミゲル。墓所に飾られているギターを触ると、落ち葉が光り輝き舞う。墓所の管理員が来て、ミゲルが謝ろうとすると、その管理員はミゲルの体をすり抜けてしまう。赤色に光り輝く橋(『千と千尋の神隠し』を思い出したのは私だけだろうか)を渡り、見上げるとミゲルの前には…。

 

 

ミゲルは、音楽が大好きなギターの天才少年。でも、過去の悲しい出来事がきっかけで彼の一族には「音楽禁止」の厳しい掟があり、ミゲルはギターを弾くどころか、家で音楽を聞くこともできない。大切な家族をとるか、ミュージシャンになる夢をとるか悩むミゲル…。ついに彼は、名曲“リメンバー・ミー”を遺した伝説の国民的ミュージシャンで、憧れの存在であるデラクルスの霊廟に飾られたギターを手に、先祖が家族に会いにくるという“死者の日”に開催される音楽コンテストに出る決意をする。だが、そのギターを奏でた瞬間──ミゲルの姿は生きている人間には見えなくなり、彼は家族に会いにきた先祖がガイコツとして見えるようになってしまう!

 やがて“死者の国”にたどり着いたミゲル。夢のように美しく、テーマパークのようにワクワクするこの世界で、祖母の祖母をはじめとする先祖たちのガイコツや憧れのデラクルスと出会うが、喜びもつかの間。早く元の世界に戻らないと大変なことに…。そんなミゲルに手を差し伸べたのは、正体不明のガイコツ、ヘクター。陽気だけど孤独な彼は、生きているミゲルに“ある願い”を託すため、ミゲルが無事に帰還できる方法を一緒に探す。だが、いつしか二人はミゲルの一族に隠された驚くべき<秘密>の存在と、何世代にもわたる家族の強い絆に気づく。そして、すべての謎を解く鍵は、デラクルスの美しいバラード“リメンバー・ミー”に隠されていた…。

作品情報|リメンバー・ミー|ディズニー公式

 

 

 

この作品はピクサーの作品として、『トイ・ストーリー』から数えて19作品目。監督はリー・アンクリッチ。彼はシリーズ史上、最もエモーショナルな作品であったと言える『トイ・ストーリー3』の監督と脚本を手掛けている。ウッディーやバズで遊んでいた"少年"アンディが"大人"へと成長し、それに対し新しい居場所を見つけようとする"トイ(おもちゃ)"達の心情が繊細に描かれ、素晴らしいエンディングを、私たちに観せてくれたリー監督。彼が今作でも、「死」というモチーフと触れ合い、思いが変化していくだろう少年。そして音楽が原因で引き裂かれた家族の絆、その両方を繊細に描いてくれるに違いない。

 

 

ピクサー・スタジオの作品は大きく2つに分けると、「人間が主役」の作品:『トイ・ストーリー』『バグズ・ライフ』『カーズ』 と「人間ではないものが主役」の作品:『Mr.インクレディブル』『カールじいさんの空飛ぶ家』『メリダとおそろしの森』 に分けられる。今回の『リメンバー・ミー』は後者にカテゴライズされる作品だ。さらに今作では「人間」だけではなく「死者」も描かれるという点も他作品とは違う点だろう。『ファンタジア』や『プリンセスと魔法のキス』などでも描かれているように、「死」は恐ろしいものや恐怖の元凶として描かれることが多い。しかし『リメンバー・ミー』では予告編でも観られるように、明るいモチーフとして描かれている。けれど、それが「死」である限り、作品のどこかで、その現実を描かなくてはいけないはずだが、ピクサーは、それをどのように描くのだろうか。楽しみだ。

 

 

メキシコの伝統的な「死者の日」を題材に、家族の絆、そして音楽を描く『リメンバー・ミー(原題:Coco)』(日本では2018年3月18日公開)。最後に、カラフルな映像と素晴らしい音楽で飾られた、本予告を鑑賞して、公開までの期待を高めておこう。

 

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