#28:『関ヶ原』レビュー

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(C)2017 「関ヶ原」製作委員会

関ヶ原

(2017年/監督:原田眞人

 

 関ヶ原の戦い。徳川家康石田三成。日本人なら、誰しもが知っている合戦。思い返せば、日本の合戦を真っ向から描いた映画を観たことがないかもしれない。宇宙人が侵略してきたり、超能力を使った戦いならよく観るけれど。そもそも邦画で観たいと思った作品も久しぶり。しかも、観たいというより観なければという気持ちの方が大きかった。予告編を観て、邦画でもこれ程のスケールの戦いが描けるのかと思わず感心してしまった。CGらしさたっぷりの爆発シーンも予告編にはなかった。だから観たかったのかもしれない。

 内容はというと、"天下分け目の戦い"の火蓋が切って落とされるまでの徳川家康役所広司)と石田三成岡田准一)の動向と関ヶ原の合戦そのもの。豊臣秀吉滝藤賢一)の太閤らしさ。三成と後に彼の側近となる島左近平岳大)が初めて出会った際の会話。合戦が始まる直前の霧。人と人が文字通りぶつかり合う戦い。戦の最中の人の狂気。誰を味方につけるか。誰を利用するのか。誰の為に戦うのか。何のために戦うのか。義。野望。三成と家康。

 撮影と劇中曲も素晴らしかった。台詞を言う役者にジリジリと迫り、ここぞと言う時に止めるところなんかは歌舞伎の見得のようで清々しかったし、合戦の最中のその場にいるかのようなカメラの動き。劇中曲も『攻殻機動隊』を思わせる、コーラスと太鼓の音。曲がかかる度に鳥肌が立った。

  どの場面を切り取っても芸術で、「関ヶ原の合戦」という歴史をそのまま切り取ったようだった。この戦を境に、江戸幕府へと繋がり、その江戸幕府明治維新によってなくなり、新たな時代が始まり、現代に続いているのかと思うと、感慨深い。この作品は、何度観ても、きっと新たな発見があるはず。素晴らしい映画だった。ただこれだけ言わせてほしい。少しでも予習をすること。手始めは『関ヶ原』の公式サイトで。

wwwsp.sekigahara-movie.com

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