#25:"The Breakfast Club" /『ブレックファスト・クラブ』感想

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 『スパイダーマン:ホームカミング』がオマージュを受けた作品があるという。『ブレックファスト・クラブ』という作品。5人のティーンエイジャーが、それぞれに向き合う作品だ。鑑賞後、作品のテーマの深さに驚いた。ティーンエイジャーの映画だからといって、スルーしてはいけない。彼等はティーンエイジャーである前に、立派な一人の人間であることを忘れてはいけない。

 

 

作品情報

原題:"The Breakfast Club"

邦題:『ブレックファスト・クラブ』

監督/脚本:ジョン・ヒューズ

出演:エミリオ・エステヴェス、モリー・リングウォルド、アーリー・シンディ、ジャド・ネルソン、アンソニー・マイケル・ホール 他

 

あらすじ

 土曜の休日と言うのに学校に登校させられた高校生5人。彼等はさまざまな問題を起こした懲罰として自分についての作文を書かされるハメになった問題児ばかりだった。大きな図書館に軟禁状態にされ、何から書いていいのかわからないままだらだらと時間だけ過ぎて行く中、雑談からお互いの身の上話を交わし始めた彼等は次第に心を開かせて行く。

映画 ブレックファスト・クラブ - allcinema

 

感想

 5人のティーンエイジャー

 土曜日に学校の図書館に登校したのは、5人の高校生。"スポーツマン"のアンドリュー。"プリンセス"のクレア。"秀才"のブライアン。"不良"のジョン。"無能"のアリソン。お互いに一切話したことのない彼等が何時間も同じ場所に閉じ込められたらどうなるか。この映画はある種の社会実験を目にしているようにも見える。

 しかし描かれているのは、それぞれの人生に葛藤している、青春真っ只中のティーンエイジャー。亀裂が入った状態から始まる彼等の関係。5人の少年少女が長時間一緒の空間にいる、それだけが描かれている本作。宇宙からエイリアンがやってきて、地球を守るために彼等が立ち上がるわけでもなく。超能力に目覚めるわけでもなく。同じ空間で過ごす。ただそれだけで、何かが芽生えたり、何かに気付いたりする。それは、きっと「ティーンエイジャー」だからこそ起こりうる化学反応なのだろう。

 

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スクールカースト

 登場人物たちは、それぞれの服装や言動などでハッキリとそれぞれの「身分」が描かれている。いわゆる「スクールカースト」というものだ。映画序盤から終盤に至るまで、この目に見えない、幽霊のような、しかしハッキリとした制度が浮き彫りにされる。"スクールカーストを乗り越え、お互いにお互いを尊重しあい、仲良くなる"。そんな生易しいストーリーではない。終盤に"プリンセス"が発した言動に"秀才"があることを言う。それは意外であったと共に、何か越えることのできない壁のようなものを感じた。

 

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ガッツポーズ

 5人のティーンエイジャーの内、ある一人が学校の校庭を横切りながらガッツポーズをする。何に対してのガッツポーズなのか。スクールカーストを乗り越えたと思った、ガッツポーズなのか。それとも自分の中に生じた変化に対するガッツポーズなのか。鑑賞後もこれが何を意味するのか考えたが、ハッキリとした正解は分からなかった。もしかしたら、それが正解なのかもしれない。"青春"という時期は特にこれといったものがないけれど、なぜか叫びたくなる時やガッツポーズをしたくなる時があるのだと思う。これは、その衝動を体現した姿なのだろうか。

 

 一人の人間

  青春とは決して輝かしいものばかりではなく、それぞれ悩むことがあり、そして各々がその問題に対して向き合う。その解決には、一人で立ち向かう場合もあるし、友達の助けがあってこそ解決するものもある。スクールカーストというものに振り分けられる前に、彼等は一人のティーンエイジャーであり、さらに一人の人間である。『ブレックファスト・クラブ』はそのようなことを気付かせてくれた。最高で残酷。なんと表現すればいいか、よく分からない。観れば分かる。そのような映画だ。未鑑賞の方は、是非一度、観て欲しい。世代に関わらず、今作を通し何か気づかされることがあるかもしれない。

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