とある放課後、図書室にて。

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とある放課後のことだ。

僕はいつものように図書室へと歩いた。運動部の生徒たちが一番使われる階段を急いで降りていた。その階段を降りながら、自分がどこか場違いな所にいるかのような気持ちを感じた。

学校の図書室は、地下にある。図書室の扉を開け、そこからさらに階段を降りなければならない。しかし僕とって、その階段は「本の世界」へと自分を誘ってくれる、いわば案内人のような階段なのだ。そこを降りると貸出カウンターがあり、司書さんがいつものように座っている。僕は鞄から本を取り出し、返却をする。

そして司書さんと少し話す。今勉強していること、借りた本の感想等々。色々だ。話し終わると、僕は空いている机に腰を下ろす。そして適当に本棚の間を歩く。

何か「コレ」といった本を借りるわけではなく、例えるならば砂浜に落ちている貝殻を集めるような感じだ。タイトルを見る。そして表紙を見る。とりあえずパラパラとめくってみる。気になったら、とりあえずその本を抱える。

そんなことを本棚を行ったり来たりしながら、数回繰り返す。そうして僕はたくさんの本を抱えながら、元の席へと戻る。何の本を持ってきたかを今一度確認しながら、 読み始める。

ジャンルは特に決めていない。ファンタジーだったら、ファンタジー。SFだったらSF。国際政治だったら国際政治。本当に適当。

そしてその「山」の中から僕は5つ厳選しなければならない。なぜなら借りることのできる冊数が5冊までだからだ。しかし司書さんが「6冊でいいよ」と言って下さったお陰で、数年前から6冊借りている。もちろん他の生徒には秘密だ。

 6冊選ぶ際の自分のルールも特にない。「バランスよく」なんてもちろん考えていないし、シリーズものなら一気に借りる。最近読んだシリーズ物といえば『ダレンシャン』シリーズ。だろうか。これは簡単に言えば、『ヴァンパイアの大河小説』と言えばいいだろうか。

そんなこんなしている内に、毎度のこと下校時間になってしまう。急いで貸出の作業をしてもらい、それらを鞄に入れる。これが重い重い。司書さんに「さようなら」と言い、僕は図書室の扉へと繋がる階段を登る。

一段一段登る内に「図書室の魔法」は解けてゆく。シンデレラの魔法が12時を超えて、階段を駆け下りるうちに解けていったように。

鞄を肩にかけ直し、駅へ向かう。その足取りは何とも言えない。軽くも重くもある。電車に乗り、鞄の中から本を取り出し、読み始める。

こうして僕の「とある放課後」は幕を閉じる。

 

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