「村上春樹いいよ、読んでみなよ」

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村上春樹が昔ジャズ喫茶をやっていたらしい。「ピーター・キャット」というそうだ。飼っていた猫の名前らしいが、最初から「ピーター・キャット」なのか「ピーター」という名前の猫なのか。どうなのだろう。

僕は村上春樹がどうも苦手だ。「ハルキスト」がどうだとかそういうことではなく、ただただ苦手なのだ。友人が「村上春樹いいよ、読んでみなよ」といって『1Q84』を進めてきた。僕は図書室で『1Q84』を借り、帰宅途中の電車内で読み始めた。

 

青豆という名の女性が確か出てきたはず。数年前に読んだので記憶は曖昧。だが最初の場面の、高速道路の非常階段から彼女が降りる、というのはなぜか覚えている。

BOOK1は読んだ。確か。自分の中では可もなく不可もなくという感じ。変な雰囲気の物語だな、という印象を覚えた気がする。好きでもなく嫌いでもなく。何を感じるわけでもなく、淡々と読んだ。

BOOK2だったか、BOOK3だったかでリトル・ピープルだか、少女に妊娠させるだか、コクーンだか。そんな場面があった気がする。この場面に突入した時も電車の中だった。

それまでの場面は、同じように淡々と読んでいたのだけれど、コクーンだかのところで耐えられなくなった。その表現に吐き気さえも覚えた。どうしようもなくなり、本を裏返しに膝の上に置き、一回休息を挟んだ。

落ち着いたから、再び読み始めようとした。しかしやはり耐えられなかった。だから僕は本を鞄の中にしまい、翌日家にあったBOOK3と共に返却した。

 こんなこと初めてだった。グロテスクな表現があっても辛い話が出てきても、気持ち悪くなり本を伏せるということは初めてだった。

 

「『1Q84』のどこがいいの?」

僕は「村上春樹いいよ、読んでみなよ」と言った友人に聞いた。

「青豆の感じが良くない?」

そう言った。

「『1Q84』はBOOK1からBOOK3まで全部読んだの?」

僕は聞いた。

「うん、読んだよ」

彼女は当たり前のことのように言った。

 

この体験がややトラウマのようになってしまった僕は、以降村上春樹の作品を読むことはなかった。けれど世間であれほど評価されているのだから、何かあるはずだと最近思い始めた。

今度村上春樹作品を読もう。できればデビュー作とかから。『1Q84』から読み始めると、トラウマがぶり返しそうだからね。

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