#13:"Labyrinth" /『ラビリンス 魔王の迷宮』レビュー

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今回はデヴィッド・ボウイ出演のファンタジー映画、"Labyrinth" /『ラビリンス  魔王の迷宮』のレビュー。

《目次》

 

【1:作品情報】

原題:"Labyrinth"

邦題:『ラビリンス  魔王の迷宮』

製作国:アメリカ

公開:1986年

監督:ジム・ヘンソン

キャスト:ジェニファー・コネリー、デイヴィッド・ボウイ  他

製作総指揮:ジョージ・ルーカス

 

【2:ストーリー】

15歳のサラ(ジェニファー・コネリー)は多感な空想の世界に遊ぶのが大好きな少女。継母と実父が外出するために、異母弟・トビーの子守りを任されたサラはなかなか泣き止まないトビーにうんざりして、愛読書に登場するおまじないを叫んでしまう。

「お願い、今すぐこの子をどこかへ連れ去って」。

サラに興味を抱いていたゴブリンの魔王・ジャレス(デヴィッド・ボウイ)は、サラの言葉を真に受け、弟のトビーをジャレスの支配するゴブリンの世界「ラビリンス」にさらってしまった。そして弟を返してと懇願するサラに対し、13時間以内に迷宮を抜けて自分の城まで到着するという試練を与える。13時間以内にトビーを連れ戻さなければ、トビーはジャレスの力でゴブリンに変えられてしまう。サラはトビーを救うため、不思議な迷宮世界ラビリンスへと向かう。

 

【3:シンプル】

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初めて鑑賞したのは、ボウイが亡くなった際に英語の先生におすすめされた時だ。その時はボウイについて何も知らなかったし、彼の曲も聴いたことがなかった。だから特に期待もせずに鑑賞した。するとその世界観に僕は惹かれていた。CGがまだそれほど発展していなかった時代のパペット。挿入歌。それに「デヴィッド・ボウイ」という人物。ストーリーは極めて単純だ。13時間以内に迷宮を抜け、ゴブリンキングの城の元へ辿り着けばいい。その道中で出会うのが個性ある様々なキャラクター。有名な絵画をモチーフとした場面や舞踏会の場面がとても美しい。途中赤い跳ねるゴブリン(?)が出てくる。そこらで物語が少し停滞してしまう。そこのシーンは特にいらなかったのでは、と感じた。最後の場面では、思わず涙腺が弱くなってしまう。大人の方がこの物語に感情移入できるのではないかと思う

 

【4:個性ある登場人物】

作中で主人公なのは、ジェニファー・コネリー演じるサラ。彼女は迷宮「ラビリンス」の中へ足を踏み入れていく。作中で機転を利かせたりして、主人公の名にふさわしい登場人物なのだが、一番注目して欲しいのは道中で出会うキャラクター達。どこかグロテスクなのだけれど、愛らしい。サラが一番最初に出会う、ゴブリンのホグル。

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サラの妨害を命じられていたのだが、親しみを覚え、ジャレス(ゴブリンキング)の命令とサラの思いとの間で葛藤する。アニマトロニクスに見えない豊かな感情表現が、その葛藤している様子をよく表しており、素晴らしい。眉が上がったり、下がったり。歩き方だったり、映画終盤では愛着を持たずにはいられない。

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他にはルゥドォというキャラクター。彼はラビリンスの中で、なんらなの原因で捉えられていた怪物。その容姿とは裏腹に心優しい性格をしている。サラがルゥドォに「あなたは友達」と言ったことで、彼らの間に友情が芽生える。スターウォーズでいうと、チューバッカの立場に似ている。ジョージ・ルーカスが製作総指揮だから多少の繋がりを感じるのかもしれない。

 

【5:デヴィッド・ボウイ

初めてボウイを見たのが、この作品。なんて美しいのだろう、そう思った。"Baby"という時の抑揚だったり、歌声、容姿。その全てに惹かれてしまう。まさにオンリー・ワンな存在だ。彼は作中で、ラビリンスを支配する魔王「ジャレス」を演じている。これほどキャスティングが素晴らしい作品があるだろうか。ミステリアス・恐怖・繊細さや怖さ故の優しさ。仕草全てが美しい。彼の楽曲ももちろんのこと素晴らしい。オープニングクロールから流れる"Underground"。映画を観てから、ミュージックビデオを観てみてほしい。要所要所に作中を思い出させるシーンがあるから。一度聴いたら忘れられない"Magic Dance"も素晴らしい。舞踏会のシーンで使用される"As The Falls Down"も悲壮感と美しさが同時に存在しているような曲だ。なぜこれほどにも素晴らしい曲を作れるのだろうか。

【6:パペット】

作中で登場するジャレスとサラ以外のキャラクターのほとんどがパペット・アニマトロニクスで動いている。それもそのはず。監督は『セサミストリート』『マペット』のジム・ヘンソン監督なのだから。

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マペットでここまで感情の表現ができるのかと思い、感動さえした。キャラクターごとに違う、歩幅や歩き方。仕草、首の傾げ方。途中で「ワイズマン」というキャラクターが登場する。それを演じるのはフランク・オズ。『スターウォーズ』ファンなら聴いたことがあると思う。フランク・オズは、SWでヨーダのパペット操作と声をした人だ。写真は載せないので、作中のどこに出てくるか、ヨーダと似ているかなど注目しながら楽しむのもいいかもしれない。

 

【7:最後に】

 「デヴィッド・ボウイの映画」と言っても過言ではない程、彼の演技・歌声が作品に強く反映されている。ストーリーもRPG的な要素も入っており、明快なゴールが示されているので難解な作品ではない。家族で鑑賞するのもオススメだが、一部では「カルト・クラシック」とカテゴリ化されているらしいことを忠告しておく。定期的に鑑賞したくなる作品だ。

"Labyrinth" /『ラビリンス 魔王の迷宮』の評価は、

10点満点中 7.5点

是非鑑賞してみては。

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