#10:"Mission: Impossible" /『ミッション:インポッシブル』

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【映画のはなし】では、映画のレビュー・感想を書いていく。10点満点中で点数もつける。今回鑑賞したのは、1996年に公開されたスパイ・アクション映画、『ミッション:インポッシブル』。

《目次》

 

【1:作品情報】

原題:"MISSION:IMPOSSIBLE"

邦題:ミッション:インポッシブル

製作国:アメリカ

公開:1996年

監督:ブライアン・デ・パルマ

脚本:デヴィッド・コープロバート・タウンスティーヴン・ザイリアン

キャスト: トム・クルーズジョン・ヴォイトジャン・レノ他  

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【2:トーリー】 

観た方が早いのだが、今作はストーリーが分かりにくいので、goo映画の説明を読んでいただきたい。

極秘スパイ組織IMFのリーダー、ジム・フェルプスジョン・ヴォイト)の元に当局から指令が入った。任務は、東欧に潜入しているCIA情報員のリスト“NOC”を盗んだプラハの米大使館員ゴリツィンと情報の買い手を捕らえること。だが盗まれたのは暗号名の情報だけで、本名のリストは別にある。ゴリツィンはそれを入手するため、明日の大使館のパーティに現れるらしい。ジムの作戦に従い、イーサン・ハント(トム・クルーズ)をはじめとするIMFのメンバーは大使館に向かった。しかし、作戦は敵に筒抜けで、ハッカーのジャック(エミリオ・エステヴェス)、工作員のサラ(クリスティン・スコット・トーマス)、監視役のハンナ(インゲボーガ・ダプクテイナ)にゴリツィンまでが殺され、ジムも銃弾に倒れてしまう。辛くも逃れたイーサンはCIAのキトリッジ(ヘンリー・ツァーニー)に会い、彼からIMFに内通者がいると聞かされる。今回の作戦はそれを暴くために仕組まれたもので、ゴリツィンは囮だったのだ。生き残ったイーサンは彼に内通者と見なされ、愕然とする。彼はキトリッジとの会合の場であるカフェを爆破して逃走し、本当の裏切り者を探そうとする。

大使館の作戦で生き残ったジムの妻、クレア(エマニュエル・ベアール)も無事アジトに戻り、イーサンは今までの状況を説明。キトリッジは、内通者にNOCリストを盗ませたのは武器商人のマックスだと言っていた。内通者の暗号名が“ヨブ”だと知ったイーサンは、その名を騙ってマックス(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)に会い、ヨブのリストはCIAが用意したニセ物だと伝える。さらに彼はマックスに取り引きを持ちかけ、全世界のNOCリストをヨブと交換することが決まった。

イーサンとクレアは、CIAを解雇されたタフガイのクリーガージャン・レノ)と天才ハッカーのルーサー(ヴィング・レイムス)を仲間に加えて、次の作戦を開始。何と世界一厳重に警備されたCIA本部の1室に侵入し、NOCリストを入手しようというのだ。クレアの陽動作戦が成功し、天井にあるダクト口から、クリーガーが支えるケーブルに吊るされながら入室したイーサンは、見事、NOCリストのダウンロードに成功した。

これを知ったキトリッジは、イーサンの母と叔父を麻薬密売容疑で逮捕し、彼をおびき出そうとする。イーサンはキトリッジに電話をかけてわざと逆探知させ、自分がロンドンにいることを知らせる。ところが、そこへ死んだはずのジムが現れた。驚くイーサンに、彼は黒幕はキトリッジであると教える。すでにイーサンはマックスとの取り引き場所を、ロンドン発パリ行きの特急列車TGVユーロスターの車内と設定していた。そこには裏切り者のヨブも現れるはずだ。

列車は走り出し、イーサンはマックスにリストを渡す。車内にはなぜかクレアも乗り合わせており、彼女は貨物車両に潜伏していたジムと会う。だが、それは得意の変装で彼に化けたイーサンだった。そこへ本物のジムが現れた。ヨブの正体はジムであり、プラハで仲間たちを殺したのも、全ては彼とクレア、そしてクリーガーの仕業だった。ジムは冷戦後の世界情勢を鑑み、自分のようなスパイが用済みになることを察して、今回の行動に出たのだ。イーサンは間一髪で危機を脱出するが、その際クレアがジムの銃弾に倒れる。ジムは車外に逃れ、追尾していたクリーガーの操縦するヘリコプターに乗り込んだ。イーサンは屋根にへばりついたまま、ヘリコプターをワイヤーで列車に繋ぎ止め、もつれ合ったままトンネル内に突入。機銃掃射するジムたちの眼前で、イーサンはガム型爆弾を使い、ヘリコプターは吹っ飛ぶ。イーサンの連絡で車内で待機していたキトリッジは、マックスを逮捕した。

イーサンの母と叔父は釈放され、ルーサーは晴れてCIAに復帰することに。しかし、イーサンはスパイ稼業に嫌気が指し、空の旅の人となった。そこへジムの後任と認めた当局より新たな指令が届いた……。

ミッション:インポッシブル | 映画-Movie Walkerより)

 

【3:M:Iシリーズと"007"】

さすが『ミッション:インポッシブル』。「アメリカらしい」スパイ映画だ。変装や水槽を爆発させたり、高速列車の上で主人公が素手一つで掴まったり。けれど続編と比べると多少控えめだ。ここぞという見せ場の時に、ミッション:インポッシブルの今では有名な「あのテーマ曲」がかかるところなど、観客を大いに沸かせる演出だ。同じスパイ映画、というくくりで有名なのは『007』シリーズだろう。『スカイフォール』と『スペクター』しか鑑賞したことがないのだが、全体的にスタイリッシュな「イギリスらしい」スパイ映画だ。それに対し今作は「アメリカらしい」スパイ映画に仕上がっている。『007』シリーズでは、ジェームズ・ボンドを数々の俳優が演じてきた。しかし、『ミッション:インポッシブル』は全シリーズに渡り、主人公のイーサン・ハントをトム・クルーズが演じており、彼の代表作とも言える。そのシリーズ第1作目の今作。何と言ってもトム・クルーズが若々しい。イケメンの中のイケメンという感じ。女性だけでなく男性までもが惚れてしまいそうな顔立ちだ。

【4:ん?】

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肝心のストーリーの感想。冒頭のシーン。ホテルかどこかの一室で、パスワードかファイルの名前を聞き出している。このシーンから少しよくわからない。訓練なのか、実際のミッションなのか。けれど、それはどうでもよくなる。なぜなら、トム・クルーズ演じるイーサン・ハントが"We got it"と言った次の瞬間、あのテーマソングとともにタイトルシークエンスが流れるからだ。思わずニヤっとしてしまった。マッチの火が導火線に付き、一通りのシーンが流れる。素晴らしいオープニングクレジットだ。

IMFのエージェント、ジム・フェルプスが飛行機の中でミッションを受理する。その受理の仕方が、今観ると時代を感じる。キャビンアテンダントが「映画を観ますか?」とカセットテープを持ってくる。そして、再生するとミッション流れる。『ミッション:インポッシブル』を知っている方ならご存知だと思うが、ミッションが受理されると自動的に破壊される。この方法が少し気になった。カセットテープが席の再生機器が煙をあげて破壊されるのだが、これを他の乗客から誤魔化すために、エージェントのジム・フェルプスが機内でタバコを吸う。ん?機内でタバコって吸っていいんだっけ?調べると、やはり禁煙だ。ここは少し現実的な演出にしても良かったのではないだろうか。

プラハでのミッション後、イーサン・ハントがキトリッジからミッション自体が囮だと知らされるシーン。ここの演出が素晴らしい。斜めに撮り、緊張感とイーサンの動揺を映している。さらに、イーサンとキトリッジの顔を交互に映し、さらに緊張感を高めている。劇中でも屈指のシーンだと僕は思う。

 

【5:「ハラハラドキドキ」とはこのことだ】

最大の見所で大変有名なCIA内部潜入シーン。さすがにCIAに消防しの変装で潜入するのは、いかがなものかと思う。ここでもタバコのシーンと同じく、少し失笑。NOCリストを手に入れるため、CIA内部の厳重警備された一室へ潜入するイーサン。この部屋では温度・音・床にかかる圧力が全て管理された、漫画のような設定の部屋。この部屋の場面では静寂そのもの。部屋が真っ白で宇宙船のよう。『2001年宇宙の旅』に出てきそうだ。換気口からケーブル1本だけで繋がれる、イーサン。順調かと思われたが、ケーブルを引っ張っているクリーガーという人物が、うっかり手を離してしまう。このシーンは有名すぎるくらい有名だ。

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観ていてヒヤヒヤする。イーサンから滴り落ちそうな、汗のクローズアップ。観客はここで息を呑むだろう。少しコミカルでもあるのだが、素晴らしい。映画史に残る名シーンそのものだ。思い出すだけでヒヤヒヤする。第3幕の列車のシーン。決定的な場面で、プラハのミッションで使われた「ガム状の小型爆弾」が登場。実際に劇中でイーサンが使用するのは2回目なのだが、伏線を見事に回収する。スカッとする演出だ。「いけ、イーサン!」と叫びたくなる。

 

【6:イーサン・ハントは拳銃を使っていない】

他の人のレビューを見て知ったのだが、イーサン・ハントは今作で拳銃を使っていないのだ。さらにもう一度鑑賞したが「拳での闘い」というものも、特にない。「スパイ映画」そのものだ。必要な場面にのみに爆発などがある。5作目の『ローグネイション』も今作の雰囲気に似ているが、他の同シリーズ作品は拳銃・闘いなどが多めだ。これが理由で今作が一番好きだという人が多いらしい。アクション映画でありながらも、多少控えめだ。と言って物語が素晴らしいというわけでもない。いや、素晴らしいのかもしれないが、分かりにくいのだ。1回見ただけでは、理解することが難しい。2回、3回と観ること理解が進む作品だ。今回、僕は2回続けて観た。ミッションの内容は理解できた。しかし「John314」の下りは、まだ分からなかった。この下りを入れないで、他の方法で黒幕の方法を明かす事が出来なかったのかなと思う。日本で聖書は誰もが内容を知っているというわけではない。「John」は「ヨブ」と訳される。だから「John」が名前のJohnではなく、聖書のJohnだ!という仕掛けも分かりづらくなっている。

 

【7:キャストが素晴らしい】

キャストが素晴らしい。トム・クルーズの観客を引き込む表情。頭にきている時の演技などは素晴らしい。顔の赤みだけでなく、拳に入っている力なども素晴らしい。ジョン・ヴォイストの(彼が演じる人物が黒幕なのだが)いかにもな「悪役ヅラ」をしていると個人的には思う。少しの眉の動きや一瞬、目を細める演技など。観客が少し疑い始めるような演技だ。やっぱりこいつが黒幕なんだ。そう観客が最後に納得できる。素晴らしい。(思ったのだけれど、こういうスパイ映画の黒幕っていい感じのおじさんが黒幕だよなと思った。)紅一点のエージェント、クレアを演じる、エマニュエル・べアール。彼女も素晴らしい。フランス訛りのある英語が、どこか妖美さを醸し出している。ルーサー演じる、ヴィング・レイムス。シリアスな展開に、面白さなどを足してくれるチャーミングな人物を演じている。ルーサーという人物が、人気を得たのも彼のチャーミングさのお陰だろう。『レノン』で有名なジャン・レノも黒幕の一人として出演している。鑑賞して思ったのは、ディズニーの悪役みたいだということ。特に見せ場もなく、モブキャラのようなのだ。もう少し役割を増やしても、ストーリーは成り立ったのではないかと思う。ちなみに、今作は『レノン』より後だ。

 

【8:終わり方が好きだ】

終わりのシーンでイーサンはルーサーとカフェで語り合い、飛行機に乗る。そこで彼はキャビンアテンダントに「映画を観ませんか?」と聞かれる。断るイーサン。しかし、キャビンアテンダントは、「カリブ海の映画でもどうですか?」と聞く。イギリスからのフライトであるのに不自然だ。そう、ミッションがイーサンの元に舞い込んできたのだ。それに気づいたイーサンは困惑した表情をする。それと共に、テーマソングがバックで流れ、エンドロールに入る。かっこいい終わり方だ。このテーマソングを聴くと、自分がIMFのエージェントであるかのような錯覚をしてしまう。

 

【9:最後に】

 シリーズ1作目の今作。続編が制作されるのも納得できる。何回も鑑賞する度に、その味わいが深くなる。そのような作品だ。ストーリーは掴みにくい。しかし、CIAの潜入シーンの素晴らしさ・感情を表現するカメラワーク・音楽による盛り上げ方がある。

"Mission: Impossible" /『ミッション:インポッシブル』の評価は

10点満点中 7.5点

ぜひ鑑賞してみては。

 

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