『SOS大東京探検隊』大友克洋:感想

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題名: 『SOS大東京探検隊』

著者: 大友克洋

出版: 講談社

 

  散歩途中に見つけた本屋。"The Beguiling"というらしい。"Beguiling"は「魅力的」「騙す」とかいう意味。英語の本を販売している雰囲気だから、何か本を買おうといことで、ふらっと店内に入った。

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  店内に入り、目に入ったのは日本の漫画。それも棚2列分くらい置いてある。アメコミも売っていたが、おおよそが日本の漫画の英訳版。店内には5,6人がいて、本を読んでいる。面白いなあ、と思いながら棚を眺めていた。『タンタンの冒険』というエルジェ作の漫画と迷った結果、日本で売ってなさそうな雰囲気がしたので『SOS大東京探検隊』を購入した。

 作者の大友克洋は、(ヴィレッジヴァンンガードでよく見かけ、個人的に気になっている)『AKIRA』で有名な漫画家・映画監督。

大友 克洋は、日本の漫画家、映画監督。1973年『漫画アクション』にてデビュー。代表作に『童夢』『AKIRA』など。ペンタッチに頼らない均一な線による緻密な描き込み、複雑なパースを持つ画面構成などそれまでの日本の漫画にはなかった作風で、80年代以降の漫画界に大きな影響を与えた。
1988年、自作を元に自ら制作したアニメーション映画『AKIRA』は日本国外でも高い評価を得、「ジャパニメーション」と呼ばれる、日本国外における日本アニメムーブメントのさきがけとなった。近年は主に映画監督として活動している。(Wikipediaより)

 

『SOS大東京探検隊』について

 この漫画は大友克洋の描く短編集。合計12作品収録されている。物語も作風も様々だ。少女漫画風、西部劇風、四コマ漫画風、歴史大河風など、たくさんの作風が描かれている。映画的な視点や漫画的な第三者視点などもある。

読んだ後、気に入ったのは『サン・バーグズヒルの想い出』("THE OLD-TIMER OF SUN BURGS HILL")という話。西部アメリカが舞台。

 

トーリー

時代に置き去りにされ、活躍の場がなくなった老カウボーイ。

彼は少年に出会う。少年に過去の話をする。

ギャンブルにハマる老カウボーイ。

詐欺師ギャンブラー達に出会う彼。

勝負の果てに銃撃戦となる。そこには少年もいた。

銃撃戦の結果、その詐欺師達も老カウボーイも死亡。

それを目撃した少年はこう言った。

 「すごい・・ さっき三人も・・」

「いっぺんで三人もやっつけたんだよ カウボーイのおじさん」

 

哀愁

 この物語には全体的に哀愁が漂っている。「西部劇」というような相手より早く銃を抜いて撃つ、というような場面はなく、馬の追跡劇も特にない。ただただ語られる老カウボーイの日々。しかも最後に死亡する。最後に少年が言う言葉は、尊敬の念の表れなのか。それとも老カウボーイの経験だけにワクワクして、当の本人には興味が全くないと言うことの表れなのか。

 最後の銃撃戦のシーンなどは最高の場面だ。一瞬で起きた出来事が次々と描かれ、その場でその光景を見ているかのよう。2ページで28コマ。複数人の目の動き。銃のクローズアップ。手や足の動き。ガラスが割れる様子。撃たれている人のクローズアップ。などが重なって出来上がっている。漫画的にも素晴らしいものなのだと思うが、多分映像化しても素晴らしいものなのではないかと思う。

 

AKIRA』へ

 他の物語も素晴らしいものが多いのだが、キリがないのでとりあえず紹介と感想はここまで。この作者が描く『AKIRA』というものを余計に読んでみたくなった。今度ヴィレッジヴァンガードに行ったら購入しようかなと思う。

 

*この記事を書いている時に見つけた「マカロニウエスタン」についての面白い記事。

マカロニ・ウエスタンって何? | Macaroni Westerns

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