#4:"Journey to the Center of the Earth" /『地底探検』レビュー

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【地底探検/Journey to the Center of the Earth】

公開日:1946/4/28

監督:ヘンリー・レヴィン

 

【ストーリー】

リンデンブロック教授は、学生アレックから贈られた溶岩の塊の中から、行方不明になったスウェーデンの探検家アルネ・サクヌッセムが「地球の中心」への行程を記したメッセージを発見した。2人はスウェーデンの地質学者ゲタボルグ教授と話し合うべくその地へ向かったが、教授は何者かにより殺害されていた。リンデンブロックらも何者かに襲われたところをアイスランド人ハンスに助けられ、3人とゲタボルグ教授の未亡人カーラは、サクヌッセムの記した行程に従ってアイスランド休火山の噴火口から地底に降りて行った。途中、これまで妨害を繰り返していたアルネ・サクヌッセムの子孫サクヌッセム伯爵と争いになるが、休戦して共に探検を続けることになった。一行は巨大キノコの森や、地底に広がる大海を越え、ついに「地球の中心」を通過。最後にたどりついたのは、伝説の島アトランティスの都の廃墟であった。Wikipediaより)

 

【感想】 

この映画『地底探検』は、SFの父と呼ばれるジュール・ヴェルヌの『地底旅行』を元にした映画である。本自体は、小学生の時に読んでからしばらく読んでいないので内容は覚えていないが、それでも映画を十分に楽しめた。

大学教授と学生、アイスランド人、教授の妨害をしようとしたスウェーデン人の教授の妻、それとアイスランド人が飼っているアヒル。という何ともちぐはぐな探検隊だ。しかし、この探検隊の構成が「地球の中心を目指す」という物語に足され、料理の香辛料のような役目をしているのだ。というのも教授が最初から女性が探検に同行するなどあり得ないと譲らないのだが、未亡人のカーラが強い女性なのだ。「自分のことは自分で決める」そう言い切るのだ。それに屈した教授は仕方なく同行を許可する。物語に彩りを加えるために原作にはない女性の登場人物を持ってきたのかと思えば、そうではなかった。「自分が女性だからできないとでも言うのか」と言ったり、自身の立場をはっきりと他の男性達に示し、行動するのだ。今、女性についての平等だとかの問題が囁かれている今だからこそ観てほしいような気がする。

劇中で癒しとなるのが、アイスランド人のハンスの飼うアヒル。

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確か名前は、グスタヴとか言う名前。登場シーンの面白さは、作品で一番面白いと思う。ただグスタヴが戸をくちばしでつついているだけなのに、リンデンブロック教授と学生のアレックが、モールス信号か何かの信号だと勘違いをするのだ。解読できなかったら「他の言語じゃないか」などと言いあって。いざその正体が分かったら「アヒルじゃないか」とケラケラ笑いあうのだ。さらに2人とも解読しようとしている時に大真面目なものだから後の面白さが数倍となるのだ。

 

【映像】

地底探検というテーマで欠かせないのが地底の描写だろう。CGがふんだんに使える現在ならまだしも、時代が時代なので、この映画では地底を特撮で表現しているのだ。

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     http://theretroset.com/journey-to-the-center-of-the-earth/

上の巨大キノコの森などは、おそらくセットを組み立てて撮影しているのだろう。

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   http://lookmeintheeye-dugan.blogspot.ca/2011/03/1959-journey-to-center-of-earth-family.html

この怪獣が襲いかかってくるシーンでは、怪獣の数を多くみせようと同じカットを何回も流したり、いかにも映像を加工したような感じだったりと、今観ているからこその違和感はあるもののリアルな怪獣の動きや女優の方の迫真の演技によりCGよりも、もしかしたら迫力があるかもしれないと思えた。2枚目の画像の「怪獣」は、トカゲに恐竜のような尾びれをつけて撮影したらしい。今だったら動物保護などの理由で不可能そうだが。また、溶岩を再現しているシーンで例えが悪いかもしれないが、代わりにミートソースのようなものを流しているのだ。いかにも溶岩ぽく見えたので緊迫感はなんとか出せていた。さらに溶岩トカゲのような怪獣が登場するのだが、これがなんとも気味悪い怪獣に仕上がっているので鑑賞予定がある方は注意を。

時代が時代なのだが、それぞれの特撮が素晴らしかったと思う。個人的にCGを多く使用した映画よりも『グレムリン』や『グーニーズ』、『スターウォーズ 帝国の逆襲』の時のヨーダなどパペットや細かいところまで再現された模型などで撮影する方が好きなので良い特撮だったと思う。

 

アトランティス

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最後のシーンで失われた古代都市「アトランティス」が登場する。

オカルトやオーパーツ好きの僕にとってわくわくするシーンだった。さらに伏線回収もきちんとされているのだ。探検に出るきっかけとなる、行方不明になったスウェーデンの探検家アルネ・サクヌッセムの遺物をリンデンブロック教授が他の教授に向けて説明している時に、そのほかの教授というのがさらっと「サクヌッセムといえば、失われた古代都市アトランティスについての本を記した人か」と。この伏線が最後のシーンで回収され、サクヌッセムが地球の中心を目指したのではなく、アトランティスを見つけるために探検に出かけたことが分かるのだ。

 

【総評】

映画のストーリーとしては、「普通」という印象だが、地底世界の描写やアトランティス、カーラの女性という立場で怯むことなく自分の意見を言い意志を貫くなど探検映画だけにとどまらなく、全体的にレトロなSF映画だったと思う。

是非、鑑賞してみてはいかがだろうか。

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