『シュナの旅』宮崎駿:書評/感想

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シュナの旅

宮崎駿

アニメージュ文庫・徳間書店

 

 宮崎駿氏は"宮崎駿監督"と呼ばれる。まるでそれ全体が彼の本名のようだ。語呂がいいのか、何なのか。いつからかは分からないけれど、彼はそう呼ばれていることが多いように思う。けれど宮崎駿"監督"は監督である前に、漫画家でもある。手塚治虫ウォルト・ディズニーのように。けれど彼らと違うと思う点がある。それは特定の登場人物だけでなく、背景の自然さえも一つの登場人物のように思える点だ。色が変化し、うねり、音を奏でる。宮崎駿監督の作品を観ると、そのことが分かるだろう。『千と千尋の神隠し』の電車の場面の海の情景、『となりのトトロ』の森や木々、そして『もののけ姫』のシシ神の森など。そして今回読んだ『シュナの旅』にも、そのような描き方がされているように思う。

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【ジョーンズの日記】最終話

〈前回までのあらすじ〉

 とある場所で発見された1冊の本。表紙に埃はかぶり、紙は黄ばんでいる。裏表紙には、ジョーンズとだけ署名がされ、各ページにはモノクロの写真が挟まっていた。拠点を建設したジョーンズ。しかし遭難から12日目に拠点が火事で燃えてしまい、食料も燃え、失意の底に落とされる。彼の元にあるのは、日記と数本の鉛筆、そして記録用のカメラ、着ている服とバックパック。生き延びる為、そして祖国に帰還する為、ジョーンズは川を探す。

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#30:『巴里のアメリカ人』レビュー

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"An American in Paris" 『巴里のアメリカ人』

(1952年/監督:ヴィンセント・ミネリ

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#29:『ラブ・アゲイン』レビュー

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 "Crazy,Stupid,Love" 『ラブ・アゲイン

(2011年/監督:グレン・フィカーラジョン・レクア

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朝から夕方までの、ある1日の記録

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写真は適当にフォルダから選んだ1枚。

 朝6時に目が覚めた。顔を洗い、窓を開ける。換気をする。いつもの流れだ。だが、まだ温もりのある布団へと戻った。なぜならこの日は休みだったからだ。休日という小さな幸福を噛み締めながら、再び眠りにつく。

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"All of Me" at駅前

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 柏にとある用事があった。柏駅の改札を出た。すると、駅前のひらけているところに複数の叔父さん達がいた。叔父さんといっても、皆が手に何かの楽器を持っていた。バンジョー、トランペット、トロンボーン等々。最近ジャズの本を読んでいるものだから、何かジャズナンバーを弾くのかな。そう期待しながら、演奏が始まるのを待った。

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#28:『関ヶ原』レビュー

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(C)2017 「関ヶ原」製作委員会

関ヶ原

(2017年/監督:原田眞人

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"TELE〇POTION" 七尾旅人

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 明るくて、軽快で、ポップで。しんみり元気になれる曲。ドカァーンと、一気にブーストを上げたい時には、もっと激しくてロックな曲がいいけど、そんな時はあまりないから、"TELE〇POTION"をよく聴く。

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カムチャツカの上を通る

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 カナディアンエアラインに乗り、日本に帰っている途中のこと。今どこらへんにいるのだろうか、と思って、席の前のモニターをタップした。現在地を示す地図を表示させた。その時、飛行機はカムチャツカ上空を通っていた。「カムチャツカ」。その地名をどこかで聞いたことがある。思い返すと、谷川俊太郎の詩『朝のリレー』という作品に、その地名は登場していた。

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#27:『紅の豚』レビュー

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紅の豚

(1992年/監督:宮崎駿

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#26:『雲の向こう、約束の場所』レビュー

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雲の向こう、約束の場所

(2004年/監督:新海誠) 

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【ジョーンズの日記】第3話

〈前回までのあらすじ〉

 とある場所で発見された1冊の本。表紙に埃はかぶり、紙は黄ばんでいる。裏表紙には、ジョーンズとだけ署名がされ、各ページにはモノクロの写真が挟まっていた。この日記と思われる本を所有しているらしい、ジョーンズという人物は、船でイギリスからジャングルを訪れたようだ。何処のジャングルかは、不明。彼は生き延びるために拠点を建設し始めた。写真を見ると、高床式の拠点を建てたらしい。祖国に、ヘンリーという友人がいるようだ。

 ジョーンズという人物は、何故このジャングルにいるのだろうか。彼の目的とは一体何なのか。そして彼は、今何処にいるのか。日記を読み進めていく度に、分からないことが増えていく。

【ジョーンズの日記】第1話 - 自然堂書房

【ジョーンズの日記】第2話 - 自然堂書房

 

 4日目を境にして、ジョーンズ氏は記録を残していない。ページの下に、小さく黒い線が7本引かれている。ページをめくると、12日目と書いてある。どうやら最後に記録した日から7日の時が経っているようだ。 

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