弱冷房車/ジキルとハイド/ロンドン・フォッグ/The Good Fight

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久しくブログを更新していない。なので今いる駅から自宅までの間で書けることを書こうと思う。


弱冷房車

今私は弱冷房車の座席に座っている。今日は特に寒い。ウィンドブレーカーを着ている人も多く見かけた。目の前にはサラリーマンが2人座っている。1人はソニーウォークマンのスクリーンを見ながら選曲している。ウォークマンを胸ポケットにしまった。どうやらいい曲を見つけたみたいだ。もう1人は黒革のリュックサックと上着をラックに置いて、何やら満足気に笑みを浮かべている。何か良いことがあったのだろう。悪い事が起こって、ひたすら目の前の空間を睨んでいるよりかはいい。ワンダフル・ワールドに乾杯。

 


ジキルとハイド

2種類の人がいる。1つの音楽を愛す者と音楽の雑踏の中から手当たり次第声をかけていく者。まあ、どちらか一方という人は中々稀で、大抵はジキルとハイドのように前者と後者の性格が入れ替わり立ち替わりで生きている。私はしばらくジキルのままでいる。数日前には「イン・マイ・ライフ」を朝から寝に着く瞬間までリピート再生していた。ジキルのような音楽人生も良いと思うけれど、ハイド的音楽人生の方が中々楽しいかもしれない。

 


ロンドン・フォッグ

ロンドンを訪れた事がない。私のロンドンに対するイメージは「鐘を鳴らすビッグ・ベン。霧が街中を覆っている。通りの向こうから蹄の音が聞こえる。馬車から鹿撃ち帽を被った探偵がパイプを吹かしながら降りてくる。」

しかしこのイメージは、ヴィクトリア朝時代のクライム・シンジケートがロンドン中に蔓延っていた時代の時のもので…  現代のロンドンの姿も見た事が無いのに、ヴィクトリア朝時代のロンドンが想像出来るだろうか。私の頭の中のロンドンは私のイマジネーションがドラックを吸いながらパレードをしている無法地帯だ。だから黄色い熊のぬいぐるみと赤い帽子に青のコートを着た熊のぬいぐるみが手を繋ぎながらスキップをしていても構わないのだ。

ロンドンよ、君は余りにも遠い。

 


The Good Fight

弁護士が主役のドラマは中々面白い。現サセックス公爵夫人のメーガン・マークルが出演していた"SUITS"とか"The Good Wife"のスピンオフ"The Good Fight"とか。後者のドラマはアフリカン・アメリカンの弁護士がマジョリティーを占めている弁護士事務所が舞台で、鮮烈なトランプ批判や人種差別に対するアイロニックなジョークなど見所が多くある作品だ。『ストレンジャー・シングス』と同じように、第1話を見てしまうともう中毒者の巣窟に仲間入りをしてしまう。くれぐれもご注意を。

 

 

 

久し振りにブログ記事を書いた。時間を決めて記事を書くのも中々面白い。

では。

『四畳半神話大系』レビュー

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四畳半神話大系

(2010年/監督:湯浅政明)

 

世間を彷徨っているような若者が誰かの為に行動して、その誰かを救う物語は大抵面白い。『スター・ウォーズ』から『遠い空の向こうに』等々。この『四畳半神話大系』は世間を彷徨っている若者が、明石さんというヒロインの為に、自分を救う物語なのだ。自己完結型物語というような感じ。結局はそういう物語が面白い。なぜなら全ての人間に共通するエゴやら欲やら、生々しいものをハッキリと(今作ではコメディ調に)描くからだ。

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インドネシア! ①羽田さまよい人編

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羽田空港。朝9時くらい。チェックインの3時間前くらいに着く。時間に余裕はあったはずだった。ガルーダ・インドネシア航空のカウンターへと向かう。カウンターは一番端にあって少し歩かなければいけない。スーツケースを滑らせながら歩く。周りは日本から何処かへと向かう人で溢れている。この国から逃げ出したいのだろうか(賢明な選択だと思う)。ビジネス?それともこれからフライトでミッションを受け取るのだろうか。

僕は旅行のような研修のような目的でインドネシアへと旅立つ。詳細まで書くと僕が僕自身であることがわかってしまうため(分かったところで何の問題もないのだけれど)インドネシアでの出来事をいくつかピックアップして書いていこうと思う。

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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』レビュー

 

シアターの明かりが付き、観客が席を立ち始める。誰も何も言わない。後片付けをして、シアターを後にする。まだ誰も何も言わない。この映画は、そういう作品だった。

 

*このレビューでは『アベンジャーズインフィニティ・ウォー』の内容に触れています。未鑑賞の方には、ブラウザバックを推奨します。

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テトリスと赤煉瓦の都市

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インドネシア、ジョグ・ジャカルタ上空。飛行機の窓から下方を眺めると、赤煉瓦の屋根が広がっていた。澄んだ青空と煉瓦のコントラストが美しい。何だか、フィレンツェに見えないこともない。赤煉瓦の秩序を乱す屋根はたまに現れる。トタン屋根だ。煉瓦、煉瓦、煉瓦、トタン、煉瓦、トタン。というような感じで秩序が乱されていく。

日本、東京上空。空港を出て、1週間振りに東京の(といっても羽田周辺)風景を見た時、そのまま下に落ちたテトリスのブロックみたいだなと思った。トスン、トスン、トスン、四角いビルが沢山落ちている。テトリスは色彩で溢れている。けれど、東京というスペースで繰り広げられるテトリスは大抵モノクロームだ。グレー、グレー、グレー。偶に白とかこげ茶とか。無機質で、建物から気怠ささえ感じる。

 

飛行機の窓から見ることのできる屋根の色は、その国の気質が現れるのかもしれない。インドネシアの人々はフレンドリーで、会釈だけでなく合掌?もしてくれた。言葉が通じずとも笑顔で、ケ・セラ・セラ的な雰囲気があった。赤煉瓦の温厚な色。
東京に住む人々は、基本的にお互いに無関心あるいは無関心を”装っている”。好奇の目を他者に対して向けるが、それは決して迎い入れるとかそう言ったポジティブな感情からではなく、大体は自分の理解を逸脱した行為に対するネガティブな感情から起こる視線だ。ビル、ビル、ビル。スーツ、スーツ、スーツ。グレー、グレー、グレー。東京は歩くテトリスで埋め尽くされている都市なのかもしれない。

『シッダールタ』ヘルマン・ヘッセ:書評/感想

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『シッダールタ』
著:ヘルマン・ヘッセ
訳:高橋健二
新潮文庫

 

インドネシアのボロブドゥール遺跡を訪れることが決まっていた。何かしら予習してから行こうと思い立ち、神保町で、何か良い本が無いかなと探していた。するとヘッセの『シッダールタ』があった。ボロブドゥールにブッダの一生を描いたレリーフがあることは知っていた。ヘッセの他の著作は『デミアン』を読み終わり、『車輪の下』を読んでいる途中で、彼の書く物語の進み方や文体なども気に入っているので、読んでみようと思った。

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何度目かのブログ名変更【BLOG】

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4月になりました。

新宿御苑で桜でも見ようかと思いましたが、ものすごい行列でしたのでやめました。

何度目かのブログ名/アイコン変更を行います。最近(物凄く最近)「砂の上のシェパード」という名前に変更しましたが、また"ブログ名変更したい病"が発症してしまいました。パワーポイントでアイコンの作成をしていました。けれど、きっとまた変更したくなるのだなと思うとやる気も湧いてきませんでした。そこでいっその事、ブログにしてしまえばいいのだ、と思いつきました。

新ブログ名:BLOG

新アイコン:グレーイッシュな背景にBLOGという文字。

以上のようにしました。筆者のことはなんとでも呼んでください。「筆者」でもいいし、「BLOGを書いている人」でもいいし、「中の人」とでも。ともかく、このブログはBLOGになった、ということのお知らせです。

どうぞ、宜しくお願いします。

乗客、人、あるいはお客さん

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地下鉄に乗っていた。いつも通りにドアの横の手すりに寄りかかる。この「ドアの横の手すり」というのは、電車内でもまあまあ人気のスポットだと思う。一番の人気スポットは勿論、座席。結構前、僕の隣の席が空いた瞬間に

左側から紙袋を3個くらい持った50、60代くらいの女性が、右側から40、50くらいの男性が、座席めがけて走って来た。文字通りに「走って来た」のだ。そして僕の目の前で第二次ビッグバンが起こり、全ての惑星、銀河が無となった。普通ならここで
「あら、ごめんなさい。私としたことが」
「いえいえ、こちらこそすみません」
「どうぞ、お座りください」
「いいえ、あなたがお座りください」
みたいなシーンが展開されるはずなのだけれど、この2人は違った。何と睨み合ったのだ。一匹のネズミを巡って2匹の蛇が睨み合ってるみたいに。結果的には右側から来た蛇がネズミを勝ち取った。電車はこのように人の欲求みたいなものが顕著に現れる、ミステリアスな四角いアルミ製の人間運搬物だ。電車に乗る乗客は、自らが望む場所に行きたいから電車に乗るのであって、決して動くホテルに乗っているわけではない。

東京地下鉄株式会社は東京およびその付近で地下鉄を経営する鉄道事業者である。

wikipedia

 サービス業とは一言も書いていない。しかし乗客が乗客を「おもてなし」すれば話は別だ。
5人の子供を連れた3人の母親が、ある駅から乗って来た。子供は騒ぐものなので、別に騒々しくても構わないのだけれど、騒いだ時に母親の1人が「お客さんに迷惑だから、やめなさい」と。普通なら「人に迷惑だから」とか「乗客に迷惑だから」とか言いそうだけれど、彼女は「お客さん」と言ったのだ。街を歩いている分には只の通行者だが、その通行者が電車に乗ると見方によっては、お客さんになるようだ。
素晴らしき、おもてなしの国。おもてなし精神が一般国民にまで浸透しているようだ。